CRM/Salesforce

北米から見るボーダーレスかつデジタライゼーションがもたらすCustomer Engagement

2020.4.10

デジタル技術の発達により顧客接点が複雑化したことで、企業活動はボーダレスかつデジタライゼーションに慎重かつスピーディに取り組む必要がある。特に顧客接点領域において企業は、地域・国への最適化は無論、個々人レベルの趣向に応じて柔軟に変化し続ける必要がある。当社は国内外シームレスにベストプラクティスのノウハウを活用し、拠点に左右されないサービス提供力の強化に向けた活動をGlobal One Teamとして長年実施している。本記事では、Salesforceを活用したグローバルシームレスなビジネス変革に向けた当社の取り組みを紹介する。

<海外のCRM/Salesforceビジネス動向>

かつてSalesforceと言えば名前の如くSFA(Salesforce Automation)やPipeline Managementなど営業フロントのスタンドアローンや中小企業規模ビジネスに対し、SaaSの特徴を生かしたターンキーアプリケーションとして認識されていました。この領域ではOracle(旧Siebel)がマーケットシェアを持ち顧客からも支持されていましたが、クラウド技術の発達や顧客接点機能の高度化など外部環境の変化に伴い過去10年で業界を取り巻く環境も様変わりしました。従来の営業特定領域や中小規模の導入にとどまらず現在ではCRMやCustomer Engagement Platformの領域でSalesforceはマーケットリーダーとして急速に進化・拡大し続けています。

CRM進化論

特にSalesforceの最大市場である米国では従来セールスやマーケティングのジョブディスクリプション(職責)が明確で、数値化されたKPI(コミッション等)による営業管理手法が確立しているため、Salesforceがフィットし易いSFAやPipeline Managementの導入は古くから支持されていました。その後、顧客接点プロセスの自動化、サービス・マーケティング機能の強化など一旦導入したSalesforceの機能やデータとして蓄積された顧客関連情報を最大限に活用すべく、基幹業務系のERPと同様に全社横断的に導入するエンタープライズアプリケーションとして日本より更に積極的に大企業やグローバル企業が活用しています。

“CRM”という従来からの定義を超えた価値の提供へ進化

<Salesforce Global One Teamの経緯、背景、活動>

これらの環境変化(お客様ビジネス領域の多様化、Salesforceプラットフォームの進化、クラウドやデジタルによる技術革新)により、Salesforceに関する導入コンサルティング・運用などプロフェッショナルとして求められる知見は年々複雑化・高度化しています。当社では過去10年に渡って特に海外ビジネスをM&Aにより拡大してきた経緯から、それぞれの買収事業会社が個々に持つ得意領域の事業連携を通じてお客様へより高度なサービスを提供する事が課題でした。特にSalesforce事業ではそれぞれの事業会社単体で保有するスケールには限界があり、導入事例やSalesforce認定資格のトレーニングといったベストプラクティスに対してどの地域・国からもアクセス可能で綿密な情報共有の体制は大きな利点となります。

この共通目標(個々の地域・国のお客様へのサービス提供能力強化とグループ全体規模の拡大)について、当社ではそれぞれの地域・国でSalesforceビジネスを牽引する事業リーダーをメンバーとして集めたGlobal One Teamを組成し活動して参りました。
発足当初は小規模でしたが、現在は世界27か国・約1000人のSalesforce認定資格者(北・南米・欧州全域・日本・中国・アジア全域)が提供する当社グループのビジネスを俯瞰しています。具体的な活動は、それぞれの地域事業会社でSalesforceビジネスを担うリーダーをメンバーとし、グローバル戦略やビジョン・ナレッジの共有、Salesforceイベント(Dreamforce)を活用した実務者同士の人的交流促進、業務提携(アライアンス)や業界アナリストへの外部活動などを進めています。また、年々猛スピードで拡大・進化し続けるSalesforceプラットフォームをタイムリーにキャッチアップしお客様への新たな提案につながるユースケースを分担しながら効率的に開発するため、お客様・Salesforce・当社グループが一体となったPoC(Proof Of Concept)への投資などもGlobal One Teamの重要なミッションとして担っています。

2016年10月ミーティングにて、Dreamforce16/San Francisco

2019年11月のミーティングにて、Dreamforce19/San Francisco

<Salesforce Global One Teamがお客様に提供するバリュー>

企業活動のボーダレス化やデジタル化が常態化する一方、それに合わせてCustomer Engagement(顧客接点領域)を設計・最適化する課題解決は一層困難になっています。ERPなど一般的なバックエンド系業務プロセスに比べ、顧客接点に関する検討要素の多くは対象となるスコープがそれぞれの地域・国、さらに個々人レベルの趣向に応じて千差万別、顧客要望の変化や流動性スピードも速いため構築したシステムを常時見直し最適化し続ける必要があります。特にSalesforceを活用した顧客接点領域に関わるプロジェクトでは、従来のエンタープライズアプリケーション開発の主流であるWaterfallによるコーディング偏重型やオフショア開発モデルとは異なる、Agileによるお客様実務部門との高頻度なスプリント・インタラクションが成功のカギとなります。

当社ではGlobal One Teamを通じたSalesforceプラットフォームや業界に精通した世界中のベストプラクティスを活用しながら、お客様と同じ環境(国・文化・顧客動向などのトレンド)で現地の要望や趣向・フィーリングなど非言語的コミュニケーションまで意識したコンサルティングを提供し、ハイブリット型のアプローチでお客様プロジェクトを支援しています。

グローバルとローカル双方のデザインを意識したハイブリッドアプローチ

<今後のNTTデータグループのSalesforceビジネス>

上述のとおりSalesforceを取り巻く環境はプラットフォームの領域拡大(水平方向)と業界特化SaaS(垂直方向)へ急速に進化し続けるとともに、お客様が直面する課題はより複雑化しプロジェクトの対象領域も全社横断型・地域縦断型へと一層チャレンジングになっています。しかし、このトレンドには従来当社が得意としている多様なスコープを様々なテクノロジー要素を使って課題解決するアプローチが威力を発揮し、例えば昨今Salesforceが買収を発表したTableau(※1)やMuleSoft(※2)、Vlocityなどは従前から海外でも当社グループがパートナーとしてプラクティスを保持していた分野でもあり、点在していたプラクティスを面として俯瞰できる領域です。その面をさらに海外各地に分散しているプラクティスとGlobal One Teamによりカバーしていくことでより優れたサービスをどの地域のどの業界のお客様にも提供できる体制を整備して参ります。

※1:Tableau
※2:Mulesof

<あとがき>

昨年(2019年)ラグビーW杯の日本代表が掲げた「ONE TEAM」が流行語大賞となるスローガンだったと日本の同僚から聞きました。このONE TEAMと同じように、一人ひとりの力を集めて同じベクトル方向へ向かって総合力を発揮する目的で当社のSalesforce Global One Teamは数年前から活動して参りました。ただ、ONE TEAMと言葉で言うのは簡単、実際には泥臭い現場の中で異なる環境や文化・バックグラウンドを持つメンバーの求心力を維持する事は容易ではありません。ただSalesforceにはビジネスやロジカルだけではなく個々のエモーショナル(感情領域)にまで踏み込んだイノベーションを追求する独特のエコシステムやカルチャーがあります。(例えばDreamforceのイベントに参加された方はあらゆる層を引き込みファンにするSalesforceの不思議な力に圧倒されたと思います。)

当社のSalesforce Global One Teamは、まさにこの個々のエモーショナルな点を揺さぶる力を触媒にして当社各地域の個々リーダーやグローバルにいる約1000人のSalesforce資格者が持つ熱い志を集めた“プロフェッショナル集団”としての誇りを掲げ、今日も世界のどこかで日々協力しあっています。

2019年11月Dreamforceにて、世界中から集まる“プロフェッショナル集団“

プロフィール

NTT DATA Services (北米/ダラス)
Senior Director
Global Business Management
株式会社NTTデータ
グローバルマーケティング本部
安積 泰

NTT入社後、法人営業や経営企画などに従事しNTTデータへ移動。
2013年より米国拠点にて一貫して当社グローバルビジネスのSalesforceサービス強化や地域間連携を推進。

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