Digital Commerce

リアル店舗での購買体験を変革する「PoT」と「CAFIS Arch」

2019.8.16

ECの普及でいつでもどこでもすぐに欲しいものを買えるようになった。いまやリアル店舗にも同様の購買体験が求められている。店舗ならではの購買行動をより便利に改革するためのカギとなるのが「決済」である。NTTデータは、「PoT(Payment of Things)」という概念とクラウド型決済プラットフォーム「CAFIS Arch」を通じて顧客の購買体験を向上させ、店舗スタッフの負担軽減、売上向上の実現を進めている。さらにはリアル店舗・EC・個人接点の連携により、オンラインとオフラインの垣根をなくした一元的な購買体験と消費行動捕捉の実現を目指している。

1.ECの普及とリアル店舗が抱える課題

現在、日本のEC市場は年約5%の成長を続けています。また国内外のプラットフォーム事業者の参入により、リテールビジネスにおけるECの重要性はますます増しています。
ECが広く使われている理由は、そのスムーズな購買体験と考えられます。自宅や外出先からアクセスし、おすすめを見ながら目当ての商品を検索でき、購入ボタンをタップすればあとは配送を待つだけです。店舗側では消費者の購買までの行動が捕捉しやすく、そのデータを販売促進に活用することが可能です。

一方、リアル店舗での購買は、商品を手に取り、接客を受けながら購入できるなどの良さはあるものの、商品の場所が分かりづらい、ほしいサイズの在庫がない、レジに並ぶ必要がある、などの課題があります。購買意欲が高まっても、それが阻害されてしまうことが起こるのです。ECでは可能な動線補足、例えば何をカートに入れ何を買ったか、何を買わなかったか、どういう商品をたどって購買にたどり着いたかなどの情報や、お客様の購買履歴や好みに合わせたリコメンドも、リアルの店舗では店員による能動的なコミュニケーションなしには難しいのが現状です。

2.「PoT(Payment of Things)」がもたらす購買体験変革

私たちはこの課題解決の起点は「決済」にあると考えています。
店舗の購買体験では、その体験が断絶される瞬間があります。それは決済を行うタイミングです。

スマホで受信したクーポンをもとに商品を探してきても、決済時には財布を取り出したり別アプリを起動したりするなど、決済特有の動きが発生します。また、レジの混雑によって購買をあきらめてしまうのも断絶のひとつです。

これらの断絶を解消するのが「PoT(Payment of Things)」です。
PoTとは、IoTがインターネットを通じてものをつなぎ、情報をシームレスにやり取りするように、消費プロセスにおいて決済によって生まれる断絶をなくし、シームレスな購買体験を実現するという概念です。

3.PoTによる決済の分散化

PoTのポイントは、決済の分散化です。これまでレジありきだった決済を、レジから解放し、いつでもどこでも決済できることでシームレスな購買体験を実現します。

PoTによる購買体験例:セルフ決済

セルフ決済では、自身で商品スキャンや決済が可能なセルフレジを利用することで、商品を選んだ後にレジに並ぶ必要はなく、購入まで終えることができます。商品棚そのものに決済端末を設置し、その場で決済させることも可能です。
店舗運営の観点では、レジ業務から店員を解放できるので、より価値の高い業務へシフトできます。

PoTによる購買体験例:コンシェルジュ決済

コンシェルジュ決済では、接客を介した購買体験を向上できます。接客の店員は、手元のコンシェルジュ端末を用い、商品の検索を行ったり、過去の購買履歴や好みを確認しながらのリコメンド、在庫確認をしながら商談を進めます。いざ商談が確定し、お支払となったときもその場でコンシェルジュ端末を用いて決済、そして配送手続きが可能です。
従来は、接客の中で会話がどれだけ盛り上がっても、在庫確認や配送手続、そして決済の際に、会話が途切れる断絶が発生していました。しかし、コンシェルジュ端末を用いることで、会話の中でその場で決済までの一連の流れを完了させることができます。こうしたストレスがない購買体験の提供や接客の質の向上により、顧客のファン化を促進することも可能になります。

4.決済を起点にオンラインとオフラインを融合し、さらなる顧客体験価値の向上へ

NTTデータはPoTを実現するソリューションとして、クラウド型決済プラットフォーム「CAFIS Arch」をご用意しています。多様なデバイスによりさまざまな決済シーンに対応可能です。例えば、据置型は店舗のレジでの決済に最適化されています。一方、モバイル型は端末を店員が携帯できるので、テーブル決済や接客しながらの決済が可能です。さらに、ハイブリッド型の場合は、スマホ形状であることからより持ち運びが自由なモバイル端末としてご利用いただくことができますし、クレードルに挿入することにより据置で場所を固定することも可能なので、従来より省スペースでのレジ決済やセルフ決済の実現が可能となります。
また、店舗業務で利用しているアプリを端末上に搭載しご利用いただくことも可能です。

今後、お客様の消費活動は、オンラインとオフラインを行き来することが当たり前となっていきます。
NTTデータでは、店舗接点での「CAFIS Arch」のみならず、EC決済やスマホ決済など、オンライン・オフライン・個人の接点を押さえるEC接点・顧客接点のソリューションを展開しています。チャネルに依存しない購買体験を構築し、消費者行動をオンライン・オフラインの垣根なく一元的に捕捉できるようになりますので、さらなる顧客体験価値の向上が可能です。

NTTデータは長年にわたる決済プラットフォームのノウハウと接点を活かし、決済を起点にした顧客体験価値向上、小売・流通業のお客様の売上・利益向上にこれからも貢献していきます。

プロフィール

株式会社NTTデータ
ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部
課長
冨田 誠

クラウド型決済プラットフォーム「CAFIS Arch」をはじめとした決済ソリューションの企画に従事。現在は流通業中心に、決済を起点にした顧客体験価値向上の企画提案を行っている。

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