Digital Commerce

企業中心主義(BtoC)から顧客中心主義(Me2B)へ

2018.12.27

顧客の利便性とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上をめざし、多くの企業がオムニチャネルに取り組んでいます。
そして近年は、企業側の視点からマーケティングを行うB2Cから、顧客の「個性」を理解し、最適なアクションを行う "Me2B" に関心が高まっています。
Me2Bの実現のためには、顧客との様々なタッチポイント“個”に紐付く好みやライフステージ等の最新の情報を提供してもらい、分析し、最適なオファーをしていく必要があります。
一方で、顧客の情報の取扱いにはGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)を始めとする各種個人情報の規制に準拠して管理する仕組みが必要となってきています。
顧客情報を用いて最適なオファーをするためには、ネットやリアル店舗のチャネルをまたぎ、統一管理された商品、在庫、注文データ等を掛け合わせた最適な情報を抽出する、オムニチャネル基盤の仕組みが必要となります。

1.私(Me) をどれだけ知っていますか

 いま、消費者は多くの情報にさらされています。メール、SNSを始めデジタル・アナログ問わず多くの接点に、数々の企業より処理しきれないほどのアプローチをされています。大半の情報は即座に”いらない”と判断され、選別されています。選択する情報は消費者が決める時代となっているのです。
 一方で、消費者の行動にも変化が現れています。
”生活者年末ネット調査(※1)”によると、消費者は自分の希望や潜在ニーズを踏まえた提案が欲しい という傾向が年々増えていることがわかります。

 我々企業は、消費者のニーズに応えるために、消費者の希望や潜在ニーズを理解して提案する必要がでてきています。
 そのためには、企業は顧客を消費者(Consumer)という“ひとくくり”で捉えるのではなく、個人(Me)ごとの希望や潜在ニーズを把握し、エンゲージメントを深めていくことが重要となります。

2.私(Me)を理解し、提案する

企業が顧客である"私"に選ばれるためにはどうしたらよいでしょうか。
これまでは、多くの企業において、顧客へのアプローチは、“商品”を基軸にした商品指向アプローチがメインでした。
しかし、企業主体であるこのアプローチに対して、顧客である”私”は十分に反応しません。”たまたま自分にあったタイミング・内容”で得た情報に反応するに過ぎません。 ”個”を中心としたMe2Bの世界では、私(Me)を理解しLifeStyleの中で発生する様々な接点から個人の体験に長く寄り添い、価値を提供していく”体験思考”のアプローチを実施していく必要があります。

“個”客を理解し、提案する

商品指向から体験指向へ

現代の消費者は、PC・スマートフォンを起点とした行動情報を始め、IoT(Internet of Things)やコグニティブ(Cognitive Systems:一般的に「人工知能」や「AI」と呼ばれる分野)によるデータポイントの拡大により、非常に多くのデータを作り出しています。
IDC Japanの調査によると、全世界で生み出されるデータ量は今後2025年に向け2016年比で10倍の規模(163兆ギガバイト)に増加すると言われています。(※2)
もちろん、消費者は「データを創り出している」と考えているわけではありません。 時間の節約や良い条件の獲得、求めているものを見つけるために、オンラインショッピングを行い、レビューを投稿し、アカウントを登録しています。
しかしながら、多くの企業において顧客の”個”を理解する為のデータの整備がなされていません。
たとえば、ポイントカードの利用情報とECサイトでの購買情報が統合されていない、 メール配信と店舗での購買実績との関連性を分析できない、というのはよくあるケースです。こうした問題の大半は、顧客や販売に関する情報がそれぞれ異なるシステム上で管理されていて、一元的に参照・利用できないことに起因しています。
POSやEC、コンタクトセンターなどの顧客情報・商品情報・販売実績などのシステム・データを統合し、マーチャンダイジング、マーケティング、EC サイト運営、店舗運営のすべてにおいてリアルタイムに利用できるようにすることは、顧客のLifeStyleを理解するのに必要不可欠となってきています。

情報を一元化した上でのアプローチ

顧客を理解するためには、情報の統合が必要

3.顧客データマネジメント

企業が”個”を理解する為の情報取得へと向かう中、消費者サイドからは適切なデータマネジメントを求められるようになってきています。 EUのGDPRや日本の個人情報保護法を始め、各国で個人情報のデータ保護の枠組みが策定されています。企業はその国のルールにあったデータマネジメントが必要になってきています。
GDPRが施行され、消費者はこのような細かいレベルまでのアクセスやコントロールを企業に期待するようになりました。

General Data Protection Regulation(一般データ保護規則)

4.顧客の「データ利用意向」を正しく管理・記録し活用するソリューション

「SAP Customer Data Cloud」では、CIM(カスタマーアイデンティティマネジメント)プラットフォームとして各接点から取得した顧客データに対し、企業のマーケティング活動とデータセキュリティの両立をサポートします。
SAPは、SAP C/4HANAとしてシステム統合とあわせた顧客データ管理を実現し、Me2Bを実現します。

顧客の「データ利用意向」を正しく管理・記録し活用

5.まとめ

NTTデータでは、企業のMe2B実現のため、システムの統合とGDPR等各種法令に準拠したデータ活用の取り組みをサポートし、ともに成長できるパートナーであれるよう、取り組んでいきます。

プロフィール

株式会社NTTデータ
流通サービス事業部 オムニチャネル担当
課長代理
松村 拓

大規模Webシステムの開発・Webマーケティングコンサルを経て、現在はオムニチャネルソリューション「BizXaaSオムニチャネル」をベースにDigital Transformationの提案に従事。

参考

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